「死は敗北である」と考えるお医者さんもいますが、どれだけ長く生きるかということではなく、どれだけ深く生きるかが大切です。たとえ延命できなくとも、人生のクオリティを高める手伝いができれば、医学は使命を果たした、と言えるのではないでしょうか。
今でも「人気の高い吉田松陰や坂本竜馬は、短命に終わったことを惜しまれますが、短かったとはいえ、彼らの障害の充実度は生き残った明治の元勲たちに劣っていると考える人はいないでしょう。
「もっとも多く生きる人とは、最も長生きをした人ではなく、生をもっとも多く感じた人である」とルソーはその著書「エミール」の中で言っています。
一方、二十世紀最高の哲学者のハイデッカーは、「死とは人間の存在の最高の山脈である」と言ってます。
人間の生命は有限ですが、死や老いに対して成熟することがあるのではないかと思います。生きるということは、成熟に向かって努力することであり、死によって平安な永遠の眠りを与えられるのではないでしょうか。
2016年03月02日
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