2016年10月16日

耐えがたい苦痛があれば

いよいよ最期という患者に耐えがたい苦痛があれば、モルヒネを使って患者の痛みを取り除き、死への不安が大きくて夜眠れないという人には睡眠薬を処方してもらい、よく眠れるようにしてもらったほうがいいのかもしれません。そうすることが、患者が人間らしい終末を迎えるためにどうしても必要だと思うからです。

癌の末期にあらわれる激しい痛みも、モルヒネを使えば楽になります。モルヒネはこわい薬だという誤解が医師のあいだにさえあるというのは憂うべきですが、モルヒネは上手にコントロールしながら使えば、患者がただ痛みから解放されるばかりでなく、患者に知性や感性を取り戻してくれます。

痛みがなくなれば、死への恐れからも解放されます。

この耐えがたい苦痛が極まったところに死があるのだろうと患者は想像していますから、痛みが激しさを増すほどに、死に近づいているという恐怖感は募ります。

ところが、死を連想させる激しい痛みからまったく解放されてみると、患者は自分が「死に向かっている」というよりも、「今を生きている」という実感を味わえるようになります。生のぎりぎりまで「生きる」希望が湧いてくるのです。

苦しまずにすむ痛みなら、苦しまないほうがいいのです。それは、間もなく死を迎える本人のためだけではなく、残される家族のためにも、そうすることが望ましいと思われます。
posted by 田村 季山 at 03:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康・老い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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